先ずは、制限速度を厳しく守るということです。私は、30年近い日本での運転歴で一度もスピード違反で捕まった事はありません。しかし、自慢ではありませんが、ニュージーランドではもう2度も捕まって罰金を払っています。制限速度を20km以上オーバーしたら必ず捕まると考えてください。最近では、4キロオーバーでも捕まえると警察は言ってます。パトカーは多いです。すいている道、見通しが良く気持ちの良い道、長い下り坂等、思わずスピードが出てしまいますが、こういうところにはパトカーが隠れていたり監視カメラが設置されています。また、ニュージーランドでは、表示のない場所の制限速度は100キロですが、逆にどんなに整備された道路でも100キロを越えて走れる公共の道路は存在しません。つまり、公道で100キロを超えて走ればどこであっても必ずスピード違反になります。(2018年現在、ごく一部の高速道路区間で試験的に110キロ制限を導入中)
追い越し禁止の場所で追い越しをするのも、捕まる以前に極めて危険です。片側一車線しかないのに制限速度が100キロの山道等は日本にありませんが、ニュージーランドではどこにでもあります。追い越し禁止になっているのは、見通しが悪く追い越し途中に対向車と衝突の危険があるからです。100キロで走ってくる対向車と、100キロ以上で追い越しをする自分の車の相対速度は200キロ以上になります。例え追い越し禁止でなくとも、相当先まで対向車の無い事を十分確認してから追い越しをするべきです。また、同乗者の車酔い等でゆっくり走らなくてはならない場合、自分の後ろに車が長く連なる前に、路側帯の広い場所や”Slow Vehicle Bay” 等に減速停止して、後続車を先に行かせるのがエチケットです。
それから、旅行ガイドブックにも書かれてますが、ラウンドアバウト(ロータリー)の運転は慣れないと危険です。私は、何度か危ない目に遭っています。自分がどんなに広い道を走っていても、ラウンドアバウトに先に入っている車が優先です。特に、ラウンドアバウトの中が2車線3車線の時は、神経を使います。
次に、片側一車線の道路が、橋やトンネルで両側一車線の交互通行になっていることが良くあります。どちらかの方向が優先です。しかし、自分が優先でも既に対向車が橋やトンネルに入っていれば自分が待たねばなりません。こんな道路の作り方は、日本ではほとんど見たことがありませんが、ニュージーランドでは良くあります。交通量の少ない道の建設コストを下げるのに有効なのでしょう。標識を見落としたりすると、大変危険なことになります。写真は、オークランドからフィティアンガに行く途中のコプという所に数年前まであった交互通行の橋です。クリスマス頃から1月にかけての休暇シーズンでは、オークランド方面からの車が信号待ちの長い列を作り、ひどい時は橋の通過に2時間以上かかる時もありましたが、2018年現在では立派な橋が開通して渋滞はなくなりました。
最期に、信号の変化するタイミングが日本と異なります。日本では、交差点に進入するタイミングが、自分の信号が黄色から赤に変ろうとしている時とか、赤に変った直後に交差点を通過しても大抵大丈夫です。日本では、自分の信号が赤になっても、交差する別の道路の信号はしばらく赤を維持した後で青になります。ところが、ニュージーランドでは、自分の信号が赤になるとほぼ同時に別の道路の信号は青になり、信号待ちの車が交差点に流れ込みます。しかも、黄色の時間も日本より短いように感じます。ですから、信号が黄色に変った時に加速して交差点を通り抜けようとすると、信号待ちの車が思いの他早いタイミングで交差点に出てきてしまい、衝突してしまう危険があります。
脅かす様な話を先に書いてしまいましたが、一般的に言えば、ニュージーランドはとても運転の楽しい所です。車は、日本と同じ左側通行。メートル法による表示。渋滞があるのはごく限られた大都市の特定の場所と時間帯だけですし、景色の素晴らしい場所だらけです。郊外に出ると信号は殆どありません。フィティアンガの町にも、信号は全くありません。主要道の案内表示もとても親切です。私が一番感動したのは、分岐点や交差点の前に大きな標識があるだけでなく、その後にも、その道路が何かという標識が必ずあることです。知らない道では、分岐点で正しく曲がったつもりでも後から本当に正しい道を走っているのか不安になる事がありますが、丁度そんなあたりに標識があります。また、曲がりくねった山道では、一つ一つのカーブの手前にカーブの曲率を示すための安全速度表示があります。私は方向音痴なので日本ではカーナビがないと何処にも行けませんが、ニュージーランドでカーナビが欲しいと思ったのはオークランド市内で道が分らなくなった時だけです。そもそも、ニュージーランドにはあまり道がありません。時間に余裕を持って出かけさえすれば、ドライブは実に楽しいです。