釣り自慢とニュージーランドの生活紹介サイトです

私が感じるニュージーランド人の日本人観

 日本からニュージーランドを見ると、自然に恵まれたスローライフの楽園、捕鯨に執拗に反対する国、小さな政府の国といったイメージでしょうか?ニュージーランドの人達は明るく、旅行者に親切なので、逆に本音で日本人をどう思っているか知るのは時間がかかります。ポジティブな見方は、素晴らしい工業製品を生産することができ清潔で規則正しい生活を送っている国民ということでしょう。実際、ニュージーランドでは日本製品のシェアが高くその品質は高く評価されています。道路を走っていても、世田谷あたりよりも日本車の比率が高いと思います。日本からの輸入中古車も多く、カーナビが日本語表示で日本の地図しか出ない車とか、日本語で「バックします、バックします。」と言いながらバックする車等を見かけると笑ってしまいます。特に富士重工のレガシーは良く見かけます。(私も、日本で長く乗ってました。)舶用エンジンでは、ヤマハ、ホンダ、ヤンマー、スズキ等が、フルノのGPSや魚探、レーダー等も人気を集めています。釣具もシマノやダイワ等の日本製品の人気が高いです。

 他方、日本人に対するネガティブなイメージは、第二次大戦で敵国として戦った相手、世界中の海からあらゆる生物を取りまくって全部食べてしまう連中、背が低くて何を考えてるか分らん奴らといった所でしょうか?私が海に関係する人に多く接するため、世界中の海中生物を食い荒らすというイメージは、かなり広まっているように感じます。フグを食うとか、タコを食うというだけで、心底薄気味悪いと思う人もいるようです。鯨の話になった時には、私は自分の少年時代の話をする事にしています。子供の頃、豚肉や牛肉を見たことも食べた事もなく、肉というと家で飼っていたウサギかニワトリを年に一、二度食べる以外は、学校給食で毎月出た鯨の琥珀あげ(竜田あげ)が貴重な蛋白源でした。鯨が食べれなかったら、私の身長は今より更に低くなっていたでしょうと。蛇足ですが、勿論私も毎日学校で脱脂粉乳を飲んでました。これも貴重な蛋白源でしたが、あまり美味しくはなかったですね。親しい釣り仲間には、アジやカツオを餌にしか使わないなんて罰当たりだ!と言ってますが、知らない人と話す時は、餌にするために釣っている(釣ったんだ)という事にしています。

 蛇足ついでに、フィティアンガの友人の一人から面白いから読めと貰った小説、“Royce, Royce, the People’s Choice(by Peter Hawes)”に出て来る日本人の記述を引用しておきます。これは、英国スラングだらけの奇想天外、かなりハチャメチャですが結構面白い小説です。ですが、登場人物の語る日本人は、翻訳を憚る内容ですので、原文のままの引用です。主人公の二枚目だが落ちこぼれの少年Royceが、トロール船に見習い奉公に出され、モンキレンチを錘にして巨大本マグロを釣り、そのマグロを築地まで運んで売るという物語です。日本のイカ釣り漁船から逃げてきたというドミニカ生まれの売春婦を海で助けますが、彼女の日本人客評は、““The Japs?  Haw!  Gimme a break, Bob.  They do like Honda pistons for about three minutes then get off and wash their diddles.  Clean little guys.  I’ll give them that.  Wash hands and glands before and after.””とあります。Honda pistonsという表現は、言いも言ったり(酷い?当ってる?)です。(蛇足に蛇足を加えると、アメリカ車等と比べ日本車は排気量の小さなエンジンを高速回転させてパワーを引き出す設計になっていますので、日本製オートマチック車では、アクセルを少し踏むと一気にエンジンの回転数が上がります。日本車だけに乗っていると分りませんが、排気量とトルクの大きなアメリカ車を運転するとなるほどと違いが実感できます。)また、主人公が、巨大イカ(多分ダイオウイカのことか)を釣るんだと言うのを聞いて、そんなイカいるわけないと彼女が言う説明がふるってます。““I know these people; I know them to death.  If they thought there was a giant squid down there they’d be after it.  They’d have got it by now, and eaten the poor schmuck into extinction.  They don’t believe in it.  To them there’s just two kinds of squids, arrow and broad, and they’ll catch them by the billions till they’re all gone.””ちなみに、ここでthese people とは、勿論日本人のことです。

 下の写真は、コロマンデル・タウンから出るタイ釣りの乗合船。結構釣れる。