夏から秋にかけてヒラマサを釣る最も効果的な方法は、活餌を使った泳がせ釣りだ。ヒラマサは、潮が当る岩礁や根の潮上側、ベイトフィッシュの群れの下層や周辺を遊泳している。このヒラマサの泳層にマアジ、シマアジ、カウアイ等を活餌にして送り込む。タナが浅い時は、錘を付けずにゴム風船を浮きにして流す釣り方もよく行われるので、釣具店にはゴム風船が売られている。10キロ以下のヒラマサなら、30センチ程度のマアジの活餌を使うが、大きなヒラマサは、1キロ程もあるシマアジやカウアイを餌にすることもある。日本の泳がせ釣り仕掛けでも釣れるが、ニュージーランドではハリスよりもずっと弱い道糸を使うので、道糸が切れた時でも魚が錘を引きずらないように、道糸部分に遊動式の中通し丸錘を付けるのが一般的な泳がせ仕掛けだ。また、魚影が濃いので日本のように柔らかい竿で食い込みを良くしよう等とは考えず、道糸に合わせた頑丈なトローリング用の竿を使う。ヒラマサが餌に近づくと活餌が逃げようとして暴れる。それから、餌をくわえて飲み込んでいくアタリが何回かあった後、ハリスに気付いたヒラマサが走るので、そこで合わせを入れてきつめのドラッグでヒラマサが根に入る前に寄せて来なくてはならない。ヒラマサのポイントは岩礁や根の周辺が多いので、ハリスや道糸が岩角に当ると簡単に切れてしまう。いくら遊動式の錘が道糸から外れても、仕掛けをつけたままのヒラマサの死亡率は高いと思うので、新素材の道糸で針にかけたら必ず獲るという日本式スタイルで釣るべきだと私は思う。(ヒラマサのIGFA新記録を狙おうとすると、沢山のヒラマサをラインブレークで逃がす(結果として死なせる。)ことになる。)
また、夏にはアジやカウアイの稚魚の群れが湾の中に入ってくるので、これを追ってヒラマサも湾内に入って来る。早朝、サビキで生餌を釣り、これを使ってヒラマサを釣る。根がないので、細い仕掛けでも時間をかければヒラマサを釣り上げる事ができる。