日本のマダイとニュージーランドのタイ(豪州マダイ)は、すごく良く似ていますが、平均的傾向としては、豪州マダイの方がマダイよりもピンクがかった白っぽい色をしています。日本で見るような赤に近い色やオレンジ色の豪州マダイはあまり見ません。特に、砂地に生息するものは、岩場にいるものより白っぽいようです。また、偏見かも知れませんが、豪州マダイは雑食性が強く、日本のタイの方が生きの良いエビやイカ等のより上品な餌を食べているように思います。
釣り方も、それを反映してか、日本とニュージーランドではかなり異なります。先ず、ニュージーランドではオキアミが手に入らないので、オキアミをコマセや付け餌に使用することは出来ません。しかも、餌取りがすごく多いので、仮にオキアミが手に入っても付け餌には使えないでしょう。何を餌にするかと言うと、冷凍イカやイワシ、アジ等の魚を丸毎、又は切り身にして針につけるか、冷凍カツオの切り身を使います。大ダイを釣るにはコマセが必須です。日本でアジのビシ釣りに使うようなイワシやカツオの冷凍ミンチをかごや網に入れて船べりからタナ近くに沈めて使います。小さなタイ(と言っても30cm以上(これに満たない魚は放流))なら殆どどんな方法でも釣れますが、大ダイを釣るには、それなりの場所、潮、風、時刻、テクニック等の条件が揃わねばなりません。釣りですから100%と言う事はあり得ませんが、これらの条件が揃えば90%以上の確率で5キロから10キロ前後の大ダイを釣ることができます。大ダイを釣る最も効果的な方法は、ストレー・ライニングと呼ばれる方法です。日本流に言えばフカセ釣りですが、日本のフカセ釣りと比べると恐ろしく大振りの仕掛けと餌を使います。道糸は、6キロから10キロ程度の強度のナイロンか新素材、ハリスは、フロロカーボン10号以上、針は25号程度のムツ針等を使います。錘は、潮が早い時だけ2号から5号位の丸錘をつけます。餌は、冷凍イカ、サバ、小ぶりのシマアジ、20-30センチ程度のマアジ等を丸毎使うか、手の平サイズに切ったカツオの切り身が一般的です。ストレー・ライニングは、近くにタイの生息する岩場があるような、40m以下の浅場で行います。タイは音に敏感なので、場所を決めてアンカーを打ったら魚探を停止し、物音を立てないようにコマセをセットしてから釣りの準備をします。大ダイは用心深く、ボートの近くには来ないので、コマセの流れる方向に向かって仕掛けを10mくらい遠投します。リールをフリーにして餌がゆっくりポイントに沈んで行くようにします。餌が着底したら、そのままにせず少し道糸を巻き取って餌を浮かせ気味に誘います。何度か繰り返して、餌がボートの近くに寄りすぎたら再投入します。餌が大きいので、当たりがあっても早合わせをするとすっぽ抜けます。魚が餌をしっかりくわえ込んで反転して泳ぎだすと道糸が勢い良く引き出されますから、この時一呼吸置いてリールのギアを入れて、静かに竿を立てます。無理をせず、かつタイが根に入らないようにドラッグを使ってうまく寄せてきます。大きな餌を使う事は極めて重要です。実際、40センチもある冷凍サバを丸ごと使ったり、2キロ程の大きさのカツオの頭を丸々針に付けて10キロ前後のタイを釣った実績があります。ポイントには、アジ、スイープ、カワハギ、小ダイ等の餌取りが沢山います。大ダイが餌を見つけるまでの間、これらの攻撃に耐えるだけの餌の大きさが必要です。また、小さい餌は、大ダイにはアピールしません。餌が小さいと、餌を取られるか、小ダイが釣れるだけになります。