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四季の釣り(2006年11月追加)

 日本でも季節と共に釣りの対象魚や方法が変わるように、ニュージーランドでも季節に応じた釣りをした方がより良い釣果が得られ、より楽しめます。四季を追ってどんな釣りが出来るかまとめて見ます。

 春は、9月から11月頃までです。海水温の変動は、気温より1-2ヶ月遅れますので海水温はまだ低く、特に春の初めの海中はまだ厳冬期です。そのため、9月はまだ冬の釣りになります。10月、11月になると、ハプカが産卵のため浅場に移動します。マーキュリー湾沖10マイルから20マイルのあたりには、100m程の海底より数mから数十m隆起する根が沢山あります。こういう場所に10キロ、20キロ、時にはそれ以上の大きさのハプカがより深い場所から集まります。深場の大物仕掛けで、生餌や冷凍したアジ、カツオ等を餌にするか、300グラム前後のメタルジグでねらいます。同時に、胴付仕掛けで深場に落ちているタイ、テラキー、ピンクマオマオ、ゴールデンスナッパー等も釣れます。ただし、この時期の深場のタイは、ほとんど中小型魚しか釣れません。また、同じような場所にヒラマサもいますので、メタルジグで10キロから20キロくらいのヒラマサが釣れる事もあります。面白いのは、ゴールデン・スナッパーが自分の体長の半分以上もあるメタルジグによく食いついてきます。居着きの大ダイが10mくらいの浅場で釣れるのは冬と同じですが、この時期には活性が低く釣り上げるには技術と忍耐が必要です。

 夏は、12月から2月頃までで、Whitiangaの町は観光客でごった返します。(特に、クリスマスから正月までは、町に出ても駐車する場所もなかなか見つからず、スーパーのレジでは長蛇の列が出来ます。)好天の日が多く、海に出るだけでとても気持ちが良く楽しい時期です。海水温も上昇し、ヒラマサは浅場に移動して来ます。アジ等の餌となる魚が群れている潮の当たる岩場の周辺等をトローリングするか、魚探で魚影を見つけて泳がせ釣りをします。ヒラマサの食い気が高まっている時は、入れ食いで釣れますが、そうでない時は、魚がいても釣れないのがヒラマサ釣りのギャンブル的なところです。カウアイもヒラマサと同じような場所や、砂泥地の浅場等に群れを作って小魚を追いますので、トローリングやルアーのキャスティング、餌釣りで釣れます。この頃のカウアイは、産卵前なので、この卵を丁寧に取り出して血抜きをして燻製にすると、からすみそっくりのものが出来ます。しかし、タイは、産卵のため海の開けた場所に群れで移動するので、夏には中大型のタイを釣るのは大変難しくなります。またこの時期は、トローリングによるカジキ類、ビンチョウ、キハダマグロ、カツオ等のゲームフィッシングの最盛期でもあります。釣りの各種トーナメントも開催され、一日に何本ものカジキが計量されるような日もあります。深場では、ピンクマオマオ、ルビーフィッシュ、テラキー、中小型のハプカ等が釣れます。また、釣りではありませんが、素潜りでマッスルやイセエビを捕る事が出来ます。6m以上潜れるなら、ホタテ貝も捕れます。但し、夏の日本の海よりも海水温が低いので、ウエットスーツがないと長く海中にいる事はできません。

 秋は、3月から5月頃で、産卵を終えた大ダイが大挙して浅場に入ってきますので、岩礁帯周辺でのストレーライニングによる大ダイ釣りのベストシーズンとなります。また、海底に小さな起伏や岩が点在するような比較的平坦な10m前後の浅場でも、胴付仕掛けで流し釣りをすると、1キロから3キロくらいのタイが入れ食いというような事もあります。タイは産卵後で、水温もまだ高いので非常に活性が高くほとんど誰でも釣れるような状態が続きます。餌とりも多いので、大きな仕掛けに大きな餌を付けるのが秋の大ダイを釣り上げるコツです。しかし、産卵後なので、冬場のタイと比べると痩せている魚が多いのも事実です。ヒラマサもまだ浅場にいますので、夏場と同様にして釣ることが出来ます。

 冬は、6月から8月。南氷洋に居座る巨大な低気圧が次々と分身をニュージーランドに向けて放ち、逆に、オーストラリア大陸で発生する高気圧は、ニュージーランドに到達する前にタスマン海で小さくなってしまうため、天候の悪い日が多くなります。。大ダイは、年によっては6月過ぎまで浅場にいて、秋の大ダイ釣りが継続できます。しかし、大抵の年は、6月に入ると多くのタイが深場に移動し、体の大きな少数のタイが同じ浅場(であり餌場でもある)に居残るだけとなります。冬のタイは、秋のタイと比べると驚くほど神経質で用心深く、これが同じニュージーランドのタイかと思う程です。なんだか日本でタイ釣りをしているような気分になります。細くて長めのハリス、小さな針に小さな餌を付けて、餌が出来るだけ自然に見えるようにすることが好結果につながります。冬場のタイ釣りは、釣るのが難しい分だけ面白いですし、釣れたタイも初秋のタイよりも肉がついて美味いです。冬でも、浅場の居付き大ダイをストレーラインニングで釣ることが出来ますが、タイの活性が低く神経質ですから、やはり秋よりも小ぶりの仕掛けと餌で、コマセをしっかり効かせてじっくりと取り組まないとなかなか釣れません。多くのタイは、40m以上の深場の根周辺に群れています。魚群を発見すれば、胴付仕掛けで次々と釣れることもありますが、逆に食い渋る時も良くあります。また、この時一緒にゴールデン・スナッパーやテラキー、中小型のハプカが釣れることもしばしばあります。ヒラマサもこの時期は深場に移動していますので、根の周辺を300グラム前後のメタルジグで狙えます。(深場の五目釣り)ですが、冬場の釣りの最大の障害は、オニカマスです。オニカマスは、一年中マーキュリー湾周辺にいますが、冬に水温が下がると南から北上してくるらしくその数が急増します。光る物、動く物、釣れた魚等、見境なく食いつきます。ジギングをやってもオニカマスばかり釣れるだけでなく、アシストフックやトレースを切られたり、餌釣りでも錘を食いちぎられたり、仕掛けを切られたりで、ほとんど釣りにならない時もあります。オニカマスの襲撃を避ける方法は、仕掛けに光る物を使わない、小さな針と小さな餌を使う、コマセも出来るだけ使わないことです。例えば、クロームめっきやステンレスのより戻し、サルカン類は、光を反射するので厳禁です。

 他に、周年釣れる対象としては、マアジ、シマアジ、カウアイ、ゴールデン・スナッパー、アオリイカ、ホウボウ等があります。好天日の多い夏はともかく、海に出るには風が弱く波の静かな日に限定されますので、ある程度余裕を持った日程で好天を狙って釣りに出られるよう計画する事をお勧めします。ボートをチャーターする場合、予めスケジュールを伝え、その範囲で条件の良い日に海に出たいと言えば、たいていの場合は調整してもらえます。勿論、実際に釣行した日数分だけの料金を支払います。