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ボートからの釣り(2006年4月追加)

 ニュージーランドには、日本のような海釣り公園とか、長い防波堤のような海に突き出した人工建造物がほとんどありません。港の船着場でアジ等の小物を釣るのは別として、本格的に陸地から釣りをするなら、砂浜からの投げ釣りか磯釣りになります。しかし、マーキュリー湾周辺では投げ釣りの好ポイントが少ないです。磯釣りのポイントは多数ありそうなのですが、ポイントまでの間に私有地があったり、まったく道らしきものがなかったりで、磯釣りポイントの多くは、陸続きであってもボートでないと行けません。

 という訳で、ニュージーランドで釣りをするには日本で考えるよりずっとボートの必要性が高いのです。では、どうやってボートを調達またはボートに乗せてもらうかが、ここでの本題です。

ボートをチャーターする;コストを度外視すれば、これが最も確実に釣果を得られ、安直、安全、快適な方法です。Whitiangaには、10艘前後のチャーターボートがあります。インフォーメーション・センターで相談すればアレンジしてもらえます。日本のような乗り合い方式はとっていませんので、船長さんと船をまとめて必要な期間雇う(日本で言う仕立て船)ことになります。船によりますが、数名から数十名乗ることが出来、料金は、小型なら一日700ドルから900ドルくらいです。但し、全員が真剣に釣りをするのなら、人数は4人くらいまでにした方がいいでしょう。餌やコマセは船で用意してくれます。道具が必要ならあらかじめ頼んでおけば貸してもらえます。ほとんどの船は、冷蔵庫、炊事設備、シャワー等が装備されていて、泊りがけ釣行が出来ます。小さなボートに泊まるのは最初苦痛に感じますが、停泊中にアジやアオリイカが釣れますし、無人島の入り江から見る星空の美しさに感動できます。一年中安定した釣果が得られるのは、20mから100m程度までの比較的深場での五目釣りです。4月から6月は大ダイ釣り、夏場はヒラマサ釣り、冬は深場でハプカの大物を狙えます。Whitiangaのチャーターボートの情報は、インフォーメーション・センター(i-Site)にあります。インターネットで検索しても良いです。

これらチャーターボートのほとんどは個人経営ですので、それぞれのやり方、得意分野が大きく異なります。日本でも、職漁船が遊漁船に転向したような場合、およそサービス業とは言えないような態度で釣り人に接する船がありますが、ニュージーランドでも船長(ボートのオーナー)さんによる差は極めて大きいです。ボートの舷側に錘をぶつけただけで怒るけれども、釣り客の道具はぞんざいに扱うような船長さんもいます。理想を言えば、幾つかのボートを試して、自分にあったボートと船長さんを見つけられれば最高です。日本の乗合船と比べて料金が高いと思うかも知れませんが、日帰りで5キロ以上のタイを何枚も吊り上げたり、20キロ近いヒラマサを釣ったりできる事を考えれば高くはないでしょう。但し、釣りですから絶対釣れるとは限りません。成功確率を上げるためのキーは、十分な滞在期間を用意して、天候、潮、風向き等の条件が合ったときに釣行することです。

乗合船に乗る;Whitiangaには、常時乗り合い方式で釣り人を集めているボートはありませんが、夏場には時に乗り合いでボートを出す事があります。この場合一人50ドル前後の料金でボートの定員まで釣り人を乗せます。インフォーメーション・センター(i-Site)で教えてくれます。混み合った場合、日本の船よりももっと釣り難いことさえありますが、一人でも安価にボート釣りができます。また、Coromandelの港からは、常時乗り合い方式で出ているボートがあります。Coromandelのインフォーメーション・センターで案内してもらえます。

ボートを借りる;Whitiangaには、貸しボート屋さんがあります。日本のような手漕ぎボートではなく、6m前後の船外機付ボートです。ニュージーランドでは、日本のような小型船舶免許は不要ですので、だれでも借りて海に出られますが、レンタカーのように初めて降りた空港から借りた車で目的地に向かうような訳にはいきません。ボートの運転経験、土地(海)勘等もなく海に出るのはほとんど自殺行為といえます。

知人のボートに便乗;これは、意外に使える方法です。ニュージーランドでは、たいていの家でボートを持っていますから、現地の人と親しくなれば一緒に釣りに連れて行ってもらえる可能性は高いです。もちろん、先ずボートを持っている知人を作るというハードルがありますが。

ボートを買う;買ってしまえば、好きな時に好きな所に釣りに行けますが、買うまでの作業、買ってからの維持、コスト等を解決しなければなりません。2003年、私はニュージーランドで、初めてのマイボートを買いました。たいていの家でボートを持っているような国ですので、ボートを買って使う事が生活の一部になっていて、日本よりはずっと簡単かつ低コストでボートを購入維持していく事が可能です。ボートの購入について書くべきことはあまりにも沢山ありますが、日本との違い等、基本的な事にのみ触れることにします。まず、一般家庭が持っているボートはほとんどがトレーラー・ボートです。日本と異なり、ニュージーランドでは、8mくらいまでのボートをトレーラーに積んで一般道路を走ることが出来ます。海辺の町には、トレーラー・ボートを海に出すための無料ランプが、まるで公衆便所のような感じであちこちにあります。自分の家にトレーラー・ボートを置く場所があれば、係留費用や、ボートの海への上げ下ろし費用等は不要です。普通車の運転免許があれば、トレーラーを牽引できます。ボートの運転に免許は不要です。ボートにかかる費用は、購入費、保険料、トレーラーのWOF(日本の車検に相当、毎年一回、50ドル前後かかる)、トレーラーの登録税(年額50ドル前後)、ボートの維持費(主として定期点検オイル交換等)、燃料費等です。下の写真は、私が所有する5.5mのアルミボートです。ボート・ショーで何度も賞を取ったボートで、停止時の安定が良く、小さいながら釣りに必要な物はほとんどそろっています。流し釣りでは、シーアンカーを使っていますが、バウモーターを何とか取り付けられないかと考えています。風防と屋根をたたむと高さ2m、ぎりぎりでガレージに入ります。

マイボートでの釣り;2003年に自分のボートを購入し、何度も釣りに出かけました。まだまだ勉強と経験不足ですが、その間に感じたことをまとめてみます。まず、自分のボートで釣りにでるというプロセスは、フェイルセーフ、フェイルプルーフという事はまったくなく、どンな点でも何かを見逃したりミスしたりすれば必ずその代償を払うことになります。恥を忍んで自分が実際に体験した事を書くと、ボートを買って一番最初に自分のボートをランプから海に入れた時の事です。何回かやり直しをしてトレーラーを海に入れ、ボートを手巻きウインチで海にスライドさせて入れていき、トレーラーと車をパーキングエリアに置いて戻るとボートが傾いています。よく見るとボートの中に海水が入っていて、周りの人たちが集まって来てます。誰かが、エンジンを下げて起動しようとしていますがうまくいきません。別の人が私にバングがどうとか言っているのですがバングと言われた私は、何かが爆発した???という調子で大変な事になっているのは一目瞭然でしたが、何がどうなってるのか分からずオロオロするばかりでした。幸い、浅い場所にボートを置いたので、船底が完全に海底についた状態でしたが、船は沈没せずに傾いているだけでした。ようやく、甲板の水抜き水栓を閉めていない事に気が付きあわてて水栓を締め、ビルジポンプを回して少しずつ排水し、無事にボートを海に出す事ができました。おかげで、バングすなわち水栓という意味の英単語を新たに覚えました。絶対に忘れることはないでしょう。また、水汲みバケツを買いボートに常備することにしました。エンジンがかからなかったのは、エンジンを垂直に近い角度まで十分に下げないと、起動しないということが後でわかりました。