他の所にも書きましたが、ニュージーランドでは、資源保護のため釣りの規制が細かく規定されています。ただ、コロマンデル半島やベイオブプレンティ、ベイオブアイランズ等で海釣りをするのにライセンスは不要です。
規制は大きくわけて、場所の規制と、魚種ごとの最小サイズと一人一日あたりの最大数量規制の2種類です。場所の規制は、海面に保護区を設定し、そこでは釣りや銛漁のみならず、生物を獲る事は一切禁止です。マーキュリー湾でも、湾の南側出口一帯が保護区になっています。黄色の標識ポールが境界の目印のために立てられています。海図にも描かれていますので、決してこの中で釣りをしてはいけません。なお、海洋保護区とは別に、陸地や島を対象とした野生生物保護区というのがあります。これらは陸地が対象なので釣りとは関係ないと言えそうですが、そうでもありません。マーキュリー湾沖にある多くの島の中の幾つかは野生生物保護区に指定されていて、ここに人間が上陸することは禁止です。例えば、レッドマーキュリー島周辺にはタイ、シマアジ、ヒラマサ等の好ポイントが多数あります。島の周辺でボートから釣りをすることも、ボートからシュノーケリングもOKですが、島から張り出した岩場から釣りをすることは出来ませんし、岩場や砂浜に上がっての甲羅干し等も厳禁です。
魚種ごとの規制は、度々見直し修正が行われていますので、最新レギュレーションは町のインフォーメーション・センターでパンフレットをもらって確認すべきです。現地でボートをチャーターする場合は、勿論船長さんが教えてくれます。2014年4月時点でのマーキュリー湾周辺のレクリェーションとして魚介類を捕獲する時のレギュレーション概要は、下記の通りです。まず、魚類は、大きく3つのカテゴリーに分けられています。一般魚、マダイ、最後にヒラマサ/ハプカ/バスです。一人一日当たりの捕獲を許された最大数量は、一般魚は合計20匹まで、他にタイが7匹までと、ヒラマサが3匹まで、更にその他にハプカ、バスとヒラマサの合計が5匹(ヒラマサ3匹を含む)までです。魚種毎の最小サイズの規定を下記に示します。魚の長さは、頭から尾びれの先ではなく、尾びれのくびれた部分までです。日本式に尾びれの先までを計ったタイが30センチあっても、これはキープできません。
魚種 | 最小サイズ |
---|---|
タイ | 30センチ以上 |
ヒラマサ | 75センチ以上 |
ハプカ及びバス | サイズ制限なし |
魚種 | 最小サイズ |
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テラキー | 25センチ以上 |
シマアジ | 25センチ以上 |
ブルーコッド | 30センチ以上 |
マトウダイ | サイズ制限なし |
カウアイ | サイズ制限なし |
メダイ | サイズ制限なし |
ホウボウ | 25センチ以上 |
その他指定された魚種 | 省略 |
表中の、“その他指定された魚種”は、マーキュリー湾周辺ではあまり見ることがない魚なので省略しました。何の制限もない魚としては、マアジ、イカ類、スイープ、ブルーマオマオ、ピンクマオマオ、パイパー、イエローアイミュレット等です。カツオ、マグロ、カジキ等の回遊魚に対する制限もありません。
魚以外の物の大きさと数量は、下記の通りです。サイズ定義の理解と測定に慣れるのには経験が必要です。自分勝手に判断することは避けた方が無難です。専用のゲージも販売されています。
魚介類 | 最小サイズと最大個数 |
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アワビ | 殻の長手方向長さが125mm以上、 10個 |
帆立貝 | 殻の両端の長さが100mm以上、 20個 |
マッスル(ムール貝) | 大きさ制限なし、 25個 |
イセエビ | 腹部の横幅がオスは54mm以上、メスは60mm以上、6匹 |
それから、これらの魚介類の捕獲はあくまでレクリェーションとして許されているので、獲ったものを他人にあげることは可能ですが、売ることは出来ません。